苦い経験 発言の取り消し
議会では発言の取り消しというルールがある。
取り消しは屈辱的なことだが、
議会の中で多数を敵にすると、そんなことも覚悟しなければならない。
その昔、合併に向けての議論の中で、
合併後は市の名称を公募して変更することが決まり、
それに対して住民による「伊達市の名称をなくすな」
とする1万を超える署名が集まった。
私の判断は、これだけ多くの人たちが
「伊達市の名称を変えるな」と意思表示しているのだから、
変えるべきではないという立場をとった。
住民説明会でも住民のひとりとして反対の声をあげ、
議会では、
「多くの市民が名称を変えたくないと表明しているのに、このまま進めるとしたら、
市長も議会も能力がないと言われても仕方ないのではないですか。」
と意見を述べた。
その後、とある議員から
「今の発言は市長と議会を侮辱している」との声が上がり、
私の発言は取り消しを余儀なくされた。
私の意図した思いが理解されず打ち消されることは、
とても悔しく、涙も出てきそうになったが、
議会での発言取り消しは、
問題となった文節を自ら読み上げ、
その後取り消し部分を再度読み上げるので、
公開の場で、そして大きな声で2回
「市長も議会も能力がない」と言えて、
少し胸がすっきりした。
その後、壮瞥町が合併議論から離脱し、
平成18年から伊達市と大滝村が合併となって
新たな伊達市がスタートを切った。
こうして伊達市の名称は残ったが、
今も飛び地による行政運営は続いている。