ここは「素晴らしいところ」と言い続けることが街を変える

ここは「素晴らしいところ」と言い続けることが街を変える

「芳泉茶寮」の素敵なご夫妻とお会いした。
穏やかで優しいおふたりが「芳泉茶寮」に至るまでの道のりは興味深いものだった。

世界を舞台にその能力を発揮していたおふたりが、
赴任先の上海で感じた怒りと不安。
今の自分は本当に望んだ自分なのか。
日常的に現れる葛藤。
バランスは崩れ、いつか他人のような自分に気づき、
仕事を辞めて生きるスタイルを変える。

千葉の田舎で古民家を手に入れて、
稲藁と土による日本古来の方法で壁をつくり、
江戸時代の家を再現した。
今はそこが「芳泉茶寮」の拠点にもなった。

「芳泉茶寮」は地域の人たちを巻き込んで、
町の価値を引き上げ、田舎町の魅力につなげていった。
移住したふたりが、ここは「素晴らしいところ」と言い続けることで、
古くから住む人たちも自分達の町を見直すようになった。
何もない田舎ではなく、何か楽しいことがありそうな田舎になった。

とかく地方では、行政がまちのためと考えて事業を行うが、
開催することが目的化して、
何のための事業なのかがわからなくなることが多い。

「芳泉茶寮」のおふたりの取り組みは、
行政に頼るのではなく、住んでいるひとりひとりが誇りを持ち、
能動的な行動につなげることで、町を良くしていこうとする力に変えた。

そうしたふたりの行動が逆に行政にも影響を与え、
行政側が相談に来るようになった。

こうした取り組みが本来地方で活かされるべきアプローチであり、
私たちの街でもそうありたいと思った。

芳泉茶寮 https://www.hosensaryou.jp